乳がん治療中のホットフラッシュ~漢方薬~

こんにちは、Kです。今日は勤務中に患者さんとお話した内容から記事を書いていきたいと思います。

乳がん治療中でノルバデックス®を服用中の患者さんが、病院の薬剤部窓口にいらっしゃいました。仮にAさんとしましょう。

Aさん
「ノルバデックス®の副作用で顔がほてったり更年期のような症状がでたので、今日から桂枝茯苓丸という漢方を飲むように先生に言われました。以前、名前は忘れてしまいましたが他の漢方で症状あるときに調節して飲んでも良いよと言われたことがあるのですが、この漢方も自分で調節しても良いのでしょうか?それとも処方通り1日3回飲んだ方が良いのでしょうか?今日は先生に聞きそびれてしまって…」

さて、どのように返答しましょう?

まずはなぜ桂枝茯苓丸なのか、次に漢方の効果はどれくらいで出るかを順を追って考えてみます。

内分泌療法によるホットフラッシュ

内分泌療法を受けている乳がん患者の50 %以上がホットフラッシュを経験すると言われています。乳癌診療ガイドラインには、「通常、タモキシフェンやアロマターゼ阻害薬によるホットフラッシュは、治療開始後数か月をすると次第に軽減するので、症状が軽度であれば経過観察で良い。症状が強い場合、QOL改善のためさまざまな対応がされている」と記載されています。

しかし、乳癌術後の患者を対象としたランダム化比較試験の結果から、ホルモン補充療法を行うことにより乳癌再発が増加することが報告されたため、乳癌術後にはホルモン補充療法を行うべきではないとガイドラインでは述べられています。

そこで、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(保険適応外)や漢方薬が候補となってくるわけです。

続いて、婦人科ガイドラインを参照してみました。更年期障害に対する漢方処方として、婦人科三大処方について紹介します。

当帰芍薬散:冷え性や貧血傾向のある場合
加味逍遙散:疲労、精神不安、不眠、イライラなどの精神神経症状のある場合
桂枝茯苓丸:のぼせ傾向のある場合

なるほど、Aさんに桂枝茯苓丸が処方された理由がわかりましたね。

漢方はすぐに効く?

漢方薬によって効き目の現れ方は違います。速効性のある漢方薬は服用後10~30 分で効果が現れるものもありますが、一般的な漢方薬では服用開始後1~2週間でもしくはそれ以上で効果を実感できるようになります。

速効性があると言われている漢方をいくつか紹介します。

芍薬甘草湯:こむら返りに
六君子湯・大建中湯:胃もたれや胃痛、腹部膨満感などに
五苓散:二日酔いに
小半夏加茯苓湯:乗り物酔いに
なるほど、桂枝茯苓丸は処方通り1日3回飲んだほうがよさそうです。

患者さんへの服薬指導

では、どのように患者さんからの質問に答えましょうか。私なりの答えを書いていきますね。

「漢方は一部のものを除いて、効果が出るまでに時間がかかると言われています。まずは処方通り、1日3回しっかり飲んでください。ノルバデックス®によるのぼせなどの副作用は、時間経過とともに軽減してくる場合もあります。次の診察日に症状がどうなったか、漢方は継続するのか先生に相談してみてください。」

副作用症状で抗がん剤治療が続けられないよりは、対症療法を行って継続できた方が患者さんにとってはメリットになると思います。もちろんこの答えが正解ではなく、もっと良い解答方法があるかもしれません。まだまだ私も勉強中です。

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