検査値について考える【腎機能編】

検査値腎機能編

こんにちは、Kです。

患者さんの腎機能によって薬の投与量が変わる薬剤はたくさんあると思いますが、腎機能の評価ってとても難しくないですか?クレアチニンクリアランスは薬学生の皆さんでもご存じだと思いますが、実臨床でどのように腎機能を評価するのか紹介していきますね。

Cockcroft-Gault式とeGFR

腎機能といえばまず思いつくのはこの2つなのではないでしょうか?

クレアチニンクリアランス(Ccr)= {(140-年齢)×体重}/{72×血清クレアチニン値} ※女性は×0.85

この式は日常業務で頻繁に使うので嫌でも覚えてしまいます。

eGFR(推定糸球体濾過量)は単位はmL/min/1.73m²であり、170cm、63kgの体格に適応した腎機能を示します。eGFRの値を求める式はありますが、難しいので覚える必要なし!電子カルテで自動的に算出してくれます。eGFRはCockcroft-Gault法よりも正確な腎機能を予測できると考えられていますが、標準体格(170cm、63kgでは体表面積が1.73m²になる)から逸脱する症例には、体表面積補正なしのeGFRを推算する必要があります。

ではCcr50くらいの患者さんがいるとします。どう考えますか?中等度の腎障害かな~と思うかもしれませんがこれが高齢の患者さんだとしたらどうでしょうか。高齢になると筋肉量が減少するので血清クレアチニン値は低めに出る可能性があります。つまり、Ccrの値は大きめに算出され、腎機能の過大評価につながってしまいます。

腎機能を考察する

では、患者さんの腎機能障害について考察するとき、何に着目したら良いのでしょうか?教科書にはeGFRの補正をはずすだの何だの書いてありますが、ややこしいですよね。

そこで、血清クレアチニン値、BUN(尿素窒素)、eGFRの時系列推移を確認します。以前よりも悪化しているぞ?と気づけることがあると思います。その後になぜ腎機能が低下しているのか原因を評価していきます。原因は主に3つに分けられます。

腎前性腎不全

腎臓に達する血流量が極端に減少し、尿が十分に産生できない状態です。

BUN/Cr比が10以上上昇したり、尿酸値や総蛋白が上昇することは血管内の脱水を意味します。食事摂取ができない状態で緊急入院となった患者さんで腎障害を起こしており、点滴を負荷することで腎機能が改善した例を何回かみたことがあります。

腎性腎不全

腎実質に異常が生じた状態を指す。尿検査を行い、病変が糸球体か尿細管間質かを評価します。確定には腎生検が行われます。

腎後性腎不全

腎盂以下の尿路に閉塞が生じ、排泄障害を起こした状態です。腹部超音波や腹部CTなどの画像検査で腎盂の拡張(水腎症)を同定し、尿道カテーテルや腎瘻増設によって尿路が確保できれば腎機能の改善が得られます

病棟で医師が研修医へ「まずは腎後性を否定する」とCTを見ながら指導しているのを横からこっそり聞きました(笑)

正解はないので考える

腎前性・腎性・腎後性の3種類があることを学びました。もちろん薬剤師であれば患者さんの腎障害の原因について、この薬剤が始まってから腎障害が進行している!これは薬剤性だ!と考えてしまうかもしれませんが、一歩踏みとどまってください。医師から薬剤師って薬のことしか見てないなと思われてしまいます。

電子カルテの尿量に着目してみたり、わからなければ医師とコミュニケーションを取って質問してみるべきです。

腎前性であれば輸液負荷により、また腎後性であれば尿道カテーテルなどの処置により腎機能回復の可能性があるので、例えば抗生剤を安易に減量してしまうのは必要な治療効果が得られなくなってしまうかもしれません

 

また、冒頭でお話した高齢者のCcrは過大評価している可能性について…バンコマイシンの初回TDMでトラフ値が>20μg/mLとオーバーシュートしていた経験があります。そのときは詳しい検査値は忘れてしまいましたが80歳、Ccr・eGFR50程度だったのですが…VCMの初期投与設計について15mg/kg/回 1日2回で投与開始されており、担当薬剤師が問題なしと記録に残していました。腎機能を過大評価の可能性に気付いていればオーバーシュートは避けられたはずです。


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まとめ

新人のころは経験が少ないので腎機能について正しい評価はできないと思います。積極的に上級薬剤師に相談して一緒に考えてみてください。そして医師とディスカッションできるようステップアップしていけば良いと思います♪

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