目薬を正しく使おう

目薬はドライアイで若年層から広く使われたり,また,緑内障などの疾患の治療薬として重要でもあります。

点眼方法は医師、薬剤師などからの指導で知ることができますが、今回はそういえばこれってどうなんだろう??というちょっとした疑問を解決していきましょう!

1本でどれくらい使える??

点眼の粘度や表面張力や点眼の仕方に作用されますが,1適量はおよそ30-50μL(0.03-0.05mL)と言われています。

1滴あたり50μLとすると,5mLの点眼液の場合はおよそ100滴です。つまり,1日1回両眼に使用する場合,1本でおよそ50日分ですね。

点眼するときに容器を傾けてしまうと,液量が減る(粘性の高い点眼液だと増える)ので,容器は垂直にして点眼するようにしましょう。

保管方法は?

温度による影響

特に注意がなくても,直射日光を避け,なるべく涼しい場所に保管します。冷所保存が必要な薬剤は冷蔵庫に保管しますが,冷凍室やチルド室の近くでは凍結してしまう恐れがあります。冷蔵庫の扉に保管するのが良いですね。保管条件は薬剤ごとに異なりますので、説明書をよく見てください。

ちなみに,緑内障治療薬のキサラタン®︎点眼液は開封前は冷所保存ですが,インタビューフォームには…

30℃,湿度75%,開封後毎日1滴ずつ滴下,暗所の条件で6週間後に13瓶中1瓶に微粒子を認めたと記載されています。

つまり,開封後は遮光袋に入れていれば常温での保管が可能です。しかし,基本的に点眼薬は開封後は4週間経過したら新しいものに交換することが推奨されるので開封日には注意しましょう(次の“開封後の使用期限は?“参照)。

揮発性成分による影響

プラスチック製の点眼容器は気体を透過する特性を持っているので,湿布薬や液状の消炎鎮痛剤(メントールなどの芳香成分),油性マジック,洋服の防虫剤などの揮発性の高い物質は容器を透過して点眼液に溶け込む可能性があります。

これらのものとは離して保管しましょう。また,容器に直接油性マジックで開封日などを記載しないようにしましょう。

光による影響

光にかなり不安定な薬剤でも,紫外線の遮光機能のある袋の中に保管することで薬剤の分解が抑えられます。

開封後の使用期限は?

点眼剤は未開封状態では無菌状態ですが,1滴点眼するとその分空気が点眼容器内に入るので、空気環境が非常に悪いと汚染の可能性があります。また,点眼口にまつ毛や目に触れることで汚染される可能性があります。

基本的には開封後の点眼剤の使用期限は1ヶ月を目安とします。開封後1ヶ月以内であっても,点眼剤の中に浮遊物や濁りが認められる場合は使用を中止しましょう。

点眼剤には使用中の点眼剤の微生物汚染を防ぐために防腐剤が配合されていますが、PF デラミ容器®︎という特殊な容器を使用した点眼剤では防腐剤フリーとなっています。PFであっても開封後は4週間を目処に交換します。

これによって防腐剤の細胞毒性による角膜上皮障害、あるいはアレルギー反応による接触性皮膚炎の問題が解決されるわけです。

まとめ

いかがでしたか?

目薬は市販薬、処方薬ともに広く使われており、また正しく使用しないと目のトラブルにつながってしまいます。正しい使用、管理をしていきましょう!!

 

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